この患者の胸やけや胃の痛みにつながった可能性が高いのはどれか。2つ選べ。
36 歳男性。一昨日食事会があり中華料理とアルコールを摂取した。昨日から胸やけと胃の痛みがあり、まだ治まらなかったので、一般用医薬品の購入を希望し来局した。薬剤師は以下の成分を含む医薬品を提案した。男性はこの薬の成分、副作用や飲み方などについての詳しい説明を求めた。<提案した一般用医薬品に含まれる成分>ピレンゼピン塩酸塩水和物メタケイ酸アルミン酸マグネシウム炭酸水素ナトリウムビオヂアスターゼ2000
この患者の胸やけや胃の痛みにつながった可能性が高いのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 胃酸が下部食道壁を刺激している。胃酸が下部食道に逆流して食道粘膜を刺激すると、胸やけが生じます。
- ⑵ 胃腺の壁細胞からの胃酸分泌が減少している。胃酸分泌が減少すると胃粘膜への攻撃因子が減るため、胸やけや胃痛の原因とは考えにくいです。
- ⑶ 胃粘膜表面を覆う粘液の分泌が増加している。粘液は胃粘膜を保護する防御因子であり、その分泌増加は胃痛の原因にはなりません。
- ⑷ 胃内でアセチルコリンやヒスタミンの分泌量が増加している。アセチルコリンやヒスタミンは壁細胞を刺激して胃酸分泌を増やすため、胃酸過多による症状につながります。
- ⑸ 幽門括約筋が拡張し、胃内容物の排出が促進されている。胃内容物の排出が促進されれば胃内の停滞は減ります。むしろ排出が遅れると胃酸の逆流が起こりやすくなります。
解説
正解は⑴と⑷です。この患者は脂っこい中華料理とアルコールの摂取後に胸やけと胃痛を訴えています。胸やけは、逆流した胃酸が下部食道の粘膜を刺激することで起こります。また、食事や飲酒の刺激によって迷走神経からのアセチルコリンや、ECL細胞からのヒスタミンの分泌が増えると、壁細胞からの胃酸分泌が促進され、胃粘膜が傷害されやすくなります。胃酸分泌の減少や粘液分泌の増加は、むしろ粘膜を保護する方向に働くため原因とは考えにくいです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成