心不全治療薬に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
63 歳男性。慢性心不全と診断され、治療中である。その他の既往歴及び常用薬はない。
心不全治療薬に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ ミルリノンは、ホスホジエステラーゼⅢ(PDE Ⅲ)を阻害して、心筋細胞内サイクリックAMP(cAMP)の分解を抑制する。PDEⅢを阻害して心筋のcAMP分解を抑制するので正答です。
- ⑵ コルホルシンダロパートは、Na⁺, K⁺-ATPase を阻害して、陽性の変力作用及び陰性の変時作用を示す。コルホルシンダロパートはアデニル酸シクラーゼを直接活性化します。Na⁺,K⁺-ATPase阻害はジゴキシンです。
- ⑶ イバブラジンは、ネプリライシンを阻害して、心房性ナトリウム利尿ペプチドの分解を抑制する。イバブラジンはHCNチャネル遮断薬です。ネプリライシン阻害はサクビトリルです。
- ⑷ カンデサルタンは、アンジオテンシンⅡAT1 受容体を遮断して、心筋のリモデリングを抑制する。AT1受容体を遮断して心筋リモデリングを抑制するので正答です。
- ⑸ ベルイシグアトは、過分極活性化環状ヌクレオチド依存性(HCN)チャネルを遮断して、心拍数を減少させる。ベルイシグアトは可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬です。HCNチャネル遮断はイバブラジンです。
解説
正解は⑴と⑷です。ミルリノンはPDEⅢを阻害して心筋のcAMP分解を抑え、強心作用と血管拡張作用を示し、急性心不全に用いられます。カンデサルタンはAT1受容体を遮断し、アンジオテンシンⅡによる心筋の肥大や線維化(リモデリング)を抑えます。コルホルシンダロパートはアデニル酸シクラーゼ活性化薬、イバブラジンはHCNチャネル遮断薬、ベルイシグアトは可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成