マクロファージをリポ多糖で刺激して得た培養液を採取し、この培養液中のサイトカイン…
マクロファージをリポ多糖で刺激して得た培養液を採取し、この培養液中のサイトカインXの濃度をサンドイッチELISA(Enzyme-linked immunosorbent assay)法で定量することにした。各試料をマイクロプレートに採取し反応を行った後、450 nm の吸光度を測定した。サイトカインXの標準物質を用いて標準曲線(検量線)を作成したところ、下図のようになった。この測定に関する記述として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ この培養液の測定値が吸光度1.5 であった場合、培養液を希釈して再測定することが必要である。吸光度1.5は標準曲線の上限を超えて定量できないため、希釈して再測定が必要なので正答です。
- ⑵ 10 倍希釈した培養液の測定値が吸光度0.6 である場合、もとの培養液中のサイトカインX濃度は約600 pg/mL である。吸光度0.6から読み取った濃度は10倍希釈後の値なので、もとの濃度はその10倍になります。
- ⑶ 培養液に含まれる別のサイトカインYを測定するためには、サイトカインXの測定とすべて同じ抗体を利用できる。抗体は抗原ごとに特異的なので、別のサイトカインYにはY用の抗体の組合せが必要です。
- ⑷ サンドイッチELISA 法では抗原に対する2 種類の抗体が使われるが、それぞれの抗体が認識するエピトープは異なる。捕捉抗体と検出抗体が同時に結合するため、異なるエピトープを認識するので正答です。
- ⑸ この培養液の測定で発色が検出限界以下だった場合、標準曲線(検量線)の測定の場合よりも反応時間を長めにしてもよい。試料だけ反応時間を変えると標準曲線と条件が異なり、正しく定量できません。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴と⑷です。サンドイッチELISAでは、固相化した捕捉抗体と検出抗体の2種類が、抗原の異なるエピトープに同時に結合する必要があります。定量は標準曲線の範囲内でのみ正確に行えるため、標準の最高濃度の吸光度を超えた試料は希釈して再測定します。希釈した試料の測定値には希釈倍率を掛けて元の濃度を求めます。また、試料と標準は同一の反応条件で測定しなければ比較できません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成