このワクチンに含まれる添加物に関する記述として、誤っているのはどれか。1つ選べ。
34 歳女性。この女性の12 歳の娘に市からヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種についてのお知らせが届いた。娘はHPV ワクチンの接種歴がない。この女性はHPV ワクチンの説明を聞くため、市から送られた下の成分表を含む資料を持って娘と一緒にかかりつけ薬局に来局した。そのHPV ワクチンの成分、投与方法、そして免疫応答を高める成分(アジュバント)が入っていることなどを、下の成分表を確認しながら薬剤師が説明した。HPV ワクチンの成分表HPV ワクチンの成分 分量薬効成分 ヒトパピローマウイルス16 型L1 タンパク質ウイルス様 20 μg粒子ヒトパピローマウイルス18 型L1 タンパク質ウイルス様 20 μg粒子添加物A 3-脱アシル化-4'-モノホスホリルリピッドA 50 μg(リポ多糖誘導体)添加物B 水酸化アルミニウム懸濁液(アルミニウムとして) 500 μgその他の 塩化ナトリウム(等張化剤)、リン酸二水素ナトリウム(緩衝剤)、添加物 pH 調節剤
このワクチンに含まれる添加物に関する記述として、誤っているのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ 添加物Aは、細菌由来成分の誘導体である。記述は正しいです。添加物Aは細菌(グラム陰性菌)のリポ多糖に由来するリピッドAの誘導体です。
- ⑵ 添加物Aと添加物Bは、ともにアジュバントである。記述は正しいです。添加物Aと添加物Bはいずれも免疫応答を高めるアジュバントとして配合されています。
- ⑶ 添加物Bは、抗原を吸着し、投与部位での抗原の滞留時間を延ばす。記述は正しいです。水酸化アルミニウムは抗原を吸着し、投与部位での抗原の滞留時間を延ばします。
- ⑷ 添加物Aは、抗原提示細胞の抗原提示機能を促進する。記述は正しいです。添加物AはToll様受容体4を介して抗原提示細胞を活性化し、抗原提示機能を高めます。
- ⑸ 添加物Aと添加物Bは、ともに自然免疫応答を抑制し、獲得免疫応答を促進する。誤りです。アジュバントは自然免疫応答を抑制するのではなく活性化し、それにより獲得免疫応答を促進します。
解説
正解は⑸です。添加物Aの3-脱アシル化-4'-モノホスホリルリピッドAは、グラム陰性菌のリポ多糖(LPS)の毒性を弱めた誘導体で、Toll様受容体4を刺激して樹状細胞などの抗原提示細胞を活性化します。添加物Bの水酸化アルミニウムは抗原を吸着して投与部位に長くとどめ、抗原提示を促します。どちらもアジュバントであり、自然免疫応答を活性化することで獲得免疫応答を高めます。自然免疫を抑制するという記述が誤りです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成