処方1 及び2 の坐剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 歳6 ケ月女児。体重10 kg。昼過ぎから発熱(38 ℃)のため、一般用医薬品の解熱剤を服用させていたが、夜間、急速に熱が上がり、同時に15~20 分続く痙れんが起こったため、夜間対応している近所の小児科を受診し、処置により症状は安定した。翌日、小児科を再受診し、父親が以下の処方箋(処方1 及び2 )を持って薬局を訪れた。薬剤師が父親と面談したところ、患児は、8 ケ月前にも発熱後に痙れんを起こし、今回と同じ小児科を受診したが、坐剤を2 種類処方されたのは初めてとのことであった。(処方1 )ジアゼパム坐剤(注) 4 mg 1 回1 個発熱時 5 回分(全5 個)同時使用の場合はこちらを先に使用(処方2 )アセトアミノフェン坐剤(注)100 mg 1 回1 個発熱時 5 回分(全5 個)(注) ジアゼパム坐剤の基剤:マクロゴールアセトアミノフェン坐剤の基剤:ハードファット
処方1 及び2 の坐剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 処方1 の基剤は、マクロゴール400 とマクロゴール4000 を1:1 で混合したものである。マクロゴール400と4000を等量混合したものはマクロゴール軟膏の組成で、坐剤の基剤には固形のマクロゴールが用いられます。
- ⑵ 処方1 の基剤は、直腸内で体温により溶融して薬物を放出する。マクロゴールは水溶性基剤で、体温で溶融するのではなく直腸内の水分に溶解して薬物を放出します。
- ⑶ 処方2 の基剤は、モノ、ジ、トリグリセリドの混合物である。ハードファットは飽和脂肪酸のモノ、ジ、トリグリセリドの混合物からなる油脂性基剤です。
- ⑷ 処方2 の基剤は、直腸内の水分で溶解して薬物を放出する。ハードファットは油脂性基剤で、直腸内の水分ではなく体温で溶融して薬物を放出します。
- ⑸ いずれの坐剤も薬物の肝初回通過効果を回避できる。直腸下部から吸収された薬物は門脈を経ずに体循環に入るため、肝初回通過効果を回避できます。
解説
正解は⑶と⑸です。アセトアミノフェン坐剤の基剤であるハードファットは、飽和脂肪酸のモノ、ジ、トリグリセリドの混合物で、体温で溶融して薬物を放出する油脂性基剤です。ジアゼパム坐剤の基剤マクロゴールは水溶性基剤で、直腸内の分泌液に溶解して薬物を放出します。坐剤は直腸下部から吸収された薬物が門脈を経ずに体循環に入るため、肝初回通過効果を一部回避できます。⑴の配合比はマクロゴール軟膏の組成であり、坐剤の基剤組成とは異なります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成