この患者が継続服用していることが確認された薬物の作用として、正しいのはどれか。2…
65 歳男性。肝腫瘍の精査目的で来院し、CT 検査にてS2 区域に35 mm の乏血性腫瘍が確認された。入院し、超音波ガイド下で経皮的に生検針を刺し、肝臓の一部を採取する肝生検を実施することになった。入院予定2 週間前の外来受診の際に、以下の薬剤を継続して服用していることを薬剤師が聴取した。(処方)クロピドグレル錠75 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)アムロジピン口腔内崩壊錠2.5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)ランソプラゾール口腔内崩壊錠30 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)フェノフィブラート錠80 mg 1 回2 錠(1 日2 錠)グリメピリド錠1 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 28 日分
この患者が継続服用していることが確認された薬物の作用として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)を阻害して、グルコースによるインスリン分泌を促進する。DPP-4阻害はシタグリプチンなどの作用で、処方中のグリメピリドはスルホニル尿素薬です。
- ⑵ ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体 α(PPAR α)を刺激して、リポタンパク質リパーゼ(LPL)を活性化する。フェノフィブラートはPPARαを刺激してLPLを活性化し、トリグリセリドを低下させます。
- ⑶ K⁺ と競合して、胃の壁細胞のH⁺,K⁺-ATPase を可逆的に阻害することで、H⁺ 分泌を抑制する。K⁺と競合してプロトンポンプを可逆的に阻害するのはボノプラザンで、ランソプラゾールは不可逆的に阻害します。
- ⑷ 血小板のセロトニン5-HT2 受容体を遮断して、細胞内Ca²⁺ 濃度上昇を抑制する。5-HT2受容体遮断はサルポグレラートの作用で、処方中の薬物には含まれません。
- ⑸ 活性代謝物が血小板のADP P2Y12 受容体を遮断して、細胞内サイクリックAMP(cAMP)量を増加させる。クロピドグレルの活性代謝物はP2Y12受容体を遮断し、cAMPを増加させて血小板凝集を抑制します。
解説
正解は⑵と⑸です。フェノフィブラートはPPARαを刺激してリポタンパク質リパーゼ(LPL)を活性化し、中性脂肪を低下させます。クロピドグレルはプロドラッグで、肝臓のCYP2C19などで活性代謝物となり、血小板のADP P2Y12受容体を不可逆的に遮断します。その結果、アデニル酸シクラーゼの抑制が解除されてcAMP量が増え、血小板凝集が抑えられます。DPP-4阻害やセロトニン5-HT2受容体遮断は、今回の処方薬の作用ではない点で区別できます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成