前問の検査で診断が確定した。この中毒の原因物質に関する記述として、正しいのはどれ…
夫婦と小学生2 人の4 人家族。冬休みに、スキー場近くのキャンプ場で大型テントを張り、その中で炭火を使って鉄板でバーベキューをしていた。また、テントの入り口付近では、暖房器具の電源として携帯型のガソリンエンジン発電機を使用していた。しばらくして、通りがかった隣のテントの男性が、昏睡状態で倒れているこの家族を発見した。搬送受入先の救急指定病院では、一酸化炭素ガス中毒を疑った救急救命チームの医師の指示で、血液検査と血液ガス分析が行われた。
前問の検査で診断が確定した。この中毒の原因物質に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 独特の腐敗臭を有する気体で、窒息性の呼吸器障害を引き起こす。独特の腐敗臭(卵の腐ったにおい)をもつのは硫化水素で、一酸化炭素は無臭です。
- ⑵ 無色で、呼吸器に対する刺激性を有する気体である。一酸化炭素は呼吸器への刺激性がなく、気づかないうちに吸入してしまう点が危険です。
- ⑶ 無色無臭で、空気よりもわずかに軽い可燃性の気体である。一酸化炭素は無色無臭で、空気よりわずかに軽く、燃えて二酸化炭素になる可燃性の気体です。
- ⑷ 赤血球中のヘムと強固に結合して酸素の運搬を阻害する。ヘムの二価鉄に酸素よりはるかに強く結合してカルボキシヘモグロビンとなり、酸素運搬を阻害します。
- ⑸ ヘモグロビンの二価の鉄を酸化し、酸素への結合能力を消失させる。ヘモグロビンの二価鉄を酸化してメトヘモグロビンにするのは亜硝酸塩などで、一酸化炭素の作用ではありません。
解説
正解は⑶と⑷です。一酸化炭素は無色・無臭で刺激性がなく、空気よりわずかに軽い可燃性の気体であり、発生に気づきにくいことが中毒の危険性を高めます。ヘモグロビンのヘム鉄(二価)に対して酸素の約200倍以上の親和性で結合し、カルボキシヘモグロビンを形成して酸素の運搬を妨げます。腐敗臭をもつのは硫化水素、二価鉄を三価に酸化してメトヘモグロビンを生じるのは亜硝酸塩などであり、作用の違いで区別できます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成