化学物質の毒性又は毒性発現機序に関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。
化学物質の毒性又は毒性発現機序に関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 吸入曝露された六価クロムは、鼻中隔穿孔及び肺がんを起こす。六価クロムの吸入曝露により鼻中隔穿孔や肺がんが起こるので正答です。
- ⑵ カドミウムは、中枢神経系に移行し、視野狭窄及び運動失調を起こす。視野狭窄や運動失調はメチル水銀中毒の症状で、カドミウムは主に腎障害や骨軟化症を起こします。
- ⑶ フェノトリンは、ナトリウムチャネルを開放状態にして、神経伝達を阻害する。ピレスロイド系のフェノトリンはNa⁺チャネルを開放状態にして神経伝達を障害するので正答です。
- ⑷ グリホサートは、アセチルコリンエステラーゼを阻害して副交感神経の興奮を起こす。グリホサートは植物のEPSP合成酵素を阻害する除草剤です。AChE阻害は有機リン系の作用です。
- ⑸ 2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシンは、プレグナンX 受容体(PXR)に結合し、種々の遺伝子の転写を活性化する。TCDDが結合するのはアリール炭化水素受容体(AhR)で、PXRではありません。
解説
正解は⑴と⑶です。六価クロムは強い酸化力と腐食性をもち、吸入曝露により鼻中隔穿孔や肺がんを起こします。フェノトリンなどのピレスロイド系殺虫剤は神経細胞の電位依存性Na⁺チャネルの不活性化を遅らせて開放状態を保ち、反復興奮を起こして神経伝達を阻害します。視野狭窄や運動失調はメチル水銀の症状で、ダイオキシンが結合するのはアリール炭化水素受容体(AhR)です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成