イオフルパン(¹²³I)注射液によるドパミントランスポーターシンチグラフィーはS…
72 歳女性。近医で2 年前に高血圧症及びうつ病と診断され、薬物治療が開始された。1 年前から動作緩慢となり、右上肢と左下肢に振戦を自覚するようになった。最近、振戦が強くなったため総合病院を受診したところ、パーキンソン病が疑われた。担当医は、パーキンソン病の診断を裏付けるためイオフルパン(¹²³I)注射液によるドパミントランスポーターシンチグラフィーを数週間後に施行することにした。担当医は薬剤師に、検査に関する注意事項の説明を依頼した。薬剤師がお薬手帳を確認したところ、以下の記載があった。(お薬手帳の内容)フルボキサミンマレイン酸塩錠75 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)1 日2 回 朝夕食後 28 日分イルベサルタン錠100 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)トリクロルメチアジド錠1 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 28 日分
イオフルパン(¹²³I)注射液によるドパミントランスポーターシンチグラフィーはSPECT の1 つである。この診断法に関連する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 123I から放出される γ 線を検出する。¹²³Iは電子捕獲壊変により約159 keVのγ線を放出し、SPECTではこのγ線を検出して画像化します。
- ⑵ SPECT は、放射型のCT の一種である。SPECTは体内の放射性核種から放出されるγ線を検出して断層像を得る、放射型CT(エミッションCT)の一種です。
- ⑶ 放出される2 本の消滅放射線を同時計測する。陽電子の消滅で生じる2本の消滅放射線を同時計測するのはPETであり、SPECTではありません。
- ⑷ イオフルパン(¹²³I)注射液は、病院内のサイクロトロンで製造する必要がある。¹²³Iは半減期約13時間で、製薬企業から供給されるため、病院内にサイクロトロンを備える必要はありません。
- ⑸ ドパミントランスポーターに結合しなかった遊離の¹²³I を測定する。測定するのは線条体のドパミントランスポーターに結合した放射能の分布で、遊離の¹²³Iではありません。
解説
正解は⑴と⑵です。SPECT(単一光子放射断層撮影)は、体内に投与した放射性核種が放出するγ線を、体外の検出器で多方向から測定して断層像を得る放射型CTの一種です。¹²³Iは電子捕獲で壊変し、約159 keVのγ線を放出します。陽電子の消滅で生じる2本の消滅放射線を同時計測するのはPETです。¹²³Iはサイクロトロンで製造されますが、製剤は製薬企業から供給されるため院内での製造は不要で、撮影ではトランスポーターに結合した放射能の分布をみます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成