処方3 の薬剤の服用開始にあたり、薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
64 歳男性。身長168 cm、体重62 kg。血圧135/80 mmHg。飲酒習慣あり。パーキンソン病及び高血圧症と診断され、処方1 及び処方2 の薬剤を服用中である。最近、パーキンソン病が進行し、wearing-off 現象を頻回に起こすようになったため、処方3 が追加となり、患者家族が薬局に処方箋を持参した。(処方1 )レボドパ250 mg・カルビドパ配合錠 1 回1 錠(1 日3 錠)1 日3 回 朝昼夕食後 14 日分(処方2 )アムロジピン錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分(処方3 )セレギリン塩酸塩口腔内崩壊錠2.5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分
処方3 の薬剤の服用開始にあたり、薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ レボドパ製剤を1 日3 錠から1 錠へ減量するように医師に提案する。レボドパの作用増強による副作用が出た場合に減量を検討しますが、併用開始時から1日1錠に大幅減量するのは不適切です。
- ⑵ アムロジピン錠の中止を医師に提案する。アムロジピンとセレギリンに中止を要する相互作用はなく、高血圧治療を中止する理由はありません。
- ⑶ チーズ、ビール、赤ワインを大量に摂取した場合、血圧上昇を起こす可能性があることを患者家族に説明する。チラミンを多く含む食品を大量に摂取すると、MAO阻害作用により血圧上昇を起こす可能性があります。
- ⑷ 幻覚があらわれた場合、すぐに病院を受診するように患者家族に説明する。ドパミン作用の増強により幻覚や妄想が現れることがあるため、出現時は速やかに受診するよう説明します。
- ⑸ wearing-off 現象が改善したら、処方3 を中止してよいことを患者家族に説明する。セレギリンはwearing-off現象を抑えるために継続して服用する薬で、改善したからといって自己判断で中止しません。
解説
正解は⑶と⑷です。セレギリンはMAO-B阻害薬で、ドパミンの分解を抑えてレボドパの効果を延長し、wearing-off現象を改善します。通常用量ではMAO-B選択的ですが、チーズやビール、赤ワインなどチラミンを多く含む食品を大量に摂ると血圧上昇を起こすおそれがあります。また、ドパミン作用の増強により幻覚などの精神症状が出やすくなるため、出現時はすぐ受診するよう伝えます。レボドパの減量は症状をみて段階的に行うもので、一律に3分の1にするのは不適切です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成