二酸化炭素の検出法とその原理に関連する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
学校薬剤師が授業中の教室の環境に係る検査を実施するため、中学校を訪れた。この学校には冷暖房設備と機械換気設備が設置されている。学校薬剤師は、検知管を接続した測定機器を用いて、2 限目の授業が終了する直前に養護教諭立会いのもと、教室内で二酸化炭素濃度を測定した。(測定結果)二酸化炭素濃度:1,600 ppm学校環境衛生基準:二酸化炭素濃度は1,500 ppm 以下であることが望ましい。
二酸化炭素の検出法とその原理に関連する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 検知管法は、二酸化炭素が酸性溶液に吸収される性質を利用している。二酸化炭素は酸性ガスであり、酸性溶液ではなくアルカリ性の検知剤に吸収される性質を利用しています。
- ⑵ 検知管法では、検知管に充てんした検知剤中のpH 指示薬の色の変化によって二酸化炭素を検出する。検知剤中のアルカリが二酸化炭素と反応してpHが下がり、pH指示薬が変色した長さで濃度を読み取ります。
- ⑶ 二酸化炭素は、赤外吸収スペクトル測定法でも検出できる。二酸化炭素は逆対称伸縮振動や変角振動で赤外吸収を示すため、赤外吸収スペクトル測定法で検出できます。
- ⑷ 二酸化炭素が対称伸縮振動をする場合、双極子モーメントは変化する。直線形のO=C=Oが対称に伸縮しても双極子モーメントは変化しないため、この振動は赤外不活性です。
- ⑸ 二酸化炭素は、水素炎イオン化検出器を用いたガスクロマトグラフィーでも検出できる。水素炎イオン化検出器は炭化水素などの有機化合物を検出するもので、二酸化炭素にはほとんど応答しません。
解説
正解は⑵と⑶です。検知管法では、二酸化炭素が酸性ガスとしてアルカリ性の検知剤に吸収され、検知剤中のpH指示薬が変色した長さから濃度を読み取ります。二酸化炭素は直線形分子で、逆対称伸縮振動と変角振動では双極子モーメントが変化するため赤外吸収を示し、赤外分光法で検出できます。対称伸縮振動は双極子モーメントが変化せず赤外不活性です。水素炎イオン化検出器は有機化合物に高感度で、二酸化炭素はほとんど検出できないため不適切です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成