バイオ医薬品の微粒子製剤の水への分散性を、ゼータ電位と平均粒子径から評価した。下…
バイオ医薬品の微粒子製剤の水への分散性を、ゼータ電位と平均粒子径から評価した。下図の異なるpH における結果に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、一次粒子の粒子径はpH により変化せず、温度は一定とする。また、粒度分布は一峰性で十分小さく、粒子の凝集は可逆的とする。
- ⑴ pH 2 で分散粒子は正に帯電している。低pH側ではゼータ電位が正の値を示しており、分散粒子は正に帯電しています。
- ⑵ pH 5 付近で最も凝集性が高い。ゼータ電位がほぼ0となるpH 5付近では静電反発が失われ、平均粒子径が最大となって凝集性が最も高くなります。
- ⑶ pH 6 付近で粒子表面は電気的に中性である。粒子表面が電気的に中性になるのはゼータ電位が0になるpH 5付近で、pH 6付近ではすでに負に帯電しています。
- ⑷ pH 8 以上で粒子は凝析している。pH 8以上ではゼータ電位の絶対値が大きく静電反発が強いため、粒子は凝析せず分散しています。
- ⑸ 塩を加えることでpH によらず分散性を改善できる。塩を加えると電気二重層が圧縮されてゼータ電位の絶対値が小さくなり、凝集が促進されるため分散性は悪化します。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴と⑵です。ゼータ電位は粒子表面の実効的な電荷の目安で、絶対値が大きいほど静電反発により分散が安定します。図の説明から、pH 2付近ではゼータ電位が正で粒子は正に帯電し、pH 5付近でゼータ電位がほぼ0となって反発が失われ、平均粒子径が最大、つまり最も凝集しやすい状態です。pHが高くなると電位は負に大きくなり、再び分散します。塩を加えると電気二重層が圧縮されて反発が弱まり、凝集しやすくなる点も重要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成