線形1-コンパートメントモデルに従い、肝代謝と腎排泄によってのみ体内から消失する…
線形1-コンパートメントモデルに従い、肝代謝と腎排泄によってのみ体内から消失する薬物Aを、ある患者に急速静注したときの体内動態データを以下に示す。この患者の糸球体ろ過速度(GFR)を120 mL/min としたとき、薬物Aの血漿タンパク非結合率に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、薬物Aは腎尿細管で分泌・再吸収を受けず、血漿タンパク非結合形のみが糸球体でろ過されるものとする。薬物Aの体内動態データ投与量(mg) 10血漿中薬物濃度時間曲線下面積(AUC)2.0(μg・h/mL)未変化体の尿中総排泄量(mg) 1.2代謝物の尿中総排泄量(mg)8.8(未変化体相当量に換算)
- ⑴ 0.020.02に相当するのは腎クリアランスが約2.4 mL/minの場合で、計算で得られる10 mL/minとは合いません。
- ⑵ 0.040.04は腎クリアランスを約5 mL/minとした値で、尿中排泄率0.12を正しく反映していません。
- ⑶ 0.060.06では腎クリアランスが約7 mL/minとなり、算出される10 mL/minより小さすぎます。
- ⑷ 0.08腎クリアランス10 mL/min÷GFR 120 mL/min≒0.083で、選択肢中最も近い値です。
- ⑸ 0.100.10とすると腎クリアランスは12 mL/minとなり、計算値10 mL/minより大きくなります。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。全身クリアランスは投与量÷AUCで、10 mg÷2.0 μg・h/mLより5 L/h(約83 mL/min)です。未変化体の尿中排泄率は1.2÷10=0.12なので、腎クリアランスは5 L/h×0.12=0.6 L/h、すなわち10 mL/minとなります。分泌・再吸収がなく非結合形のみがろ過される条件では、腎クリアランス=血漿タンパク非結合率×GFRが成り立つため、非結合率は10÷120≒0.083となり、最も近いのは0.08です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成