薬物のみかけの分布容積とその変動に関与する血漿タンパク結合に関する記述のうち、正…
薬物のみかけの分布容積とその変動に関与する血漿タンパク結合に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ みかけの分布容積は、体内薬物量と血漿中薬物濃度の平衡定数として定義される。分布容積は体内薬物量と血漿中濃度を結びつける比例定数であり、平衡定数として定義されるものではありません。
- ⑵ 特定の臓器や細胞内小器官(核やリソソーム、ミトコンドリアなど)に分布する薬物は、体重1 kg あたりの分布容積が10 L を越えることがある。組織中の核やリソソームなどに強く結合・集積する薬物は、体内水分量を大きく超える分布容積を示すことがあります。
- ⑶ 脂溶性の高い薬物の分布容積は加齢に伴って減少する。加齢により体脂肪の割合が増えるため、脂溶性の高い薬物の分布容積は増大する傾向があります。
- ⑷ 血漿タンパク結合率が高い薬物のみかけの分布容積は体内水分量とほぼ等しい。血漿タンパク結合率が高い薬物は血管内にとどまりやすく、分布容積は血漿容積に近い小さな値になります。
- ⑸ タンパク非結合型薬物の濃度は、定常状態において血漿中と組織間隙液中との間でほぼ等しい。非結合形薬物は毛細血管壁を自由に透過できるため、定常状態では血漿中と組織間隙液中の濃度がほぼ等しくなります。
解説
正解は⑵と⑸です。みかけの分布容積は、体内薬物量を血漿中薬物濃度で割った比例定数であり、組織への結合が強い薬物ほど大きくなります。核やリソソームなどに集積する薬物では体重1 kgあたり10 Lを超えることもあります。また、定常状態では膜を透過できる非結合形薬物の濃度が血漿中と組織間隙液中でほぼ等しくなります。高齢者では体脂肪率が増えるため、脂溶性薬物の分布容積はむしろ増大する点も重要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成