この患者にスピロノラクトンが投与されることになった。スピロノラクトンに関する記述…
50 歳女性。5 年前に近医にて高血圧を指摘され、アムロジピン5 mg/日を服用していた。最近の血圧は155/95 mmHg 程度と高値が持続しており、頭痛や脱力を自覚し今回受診した。二次性高血圧が疑われたため、腹部CT 検査が実施されて左副腎に腫瘍を認めたが、血中コルチゾール値や血中カテコールアミン値の上昇は認めなかった。
この患者にスピロノラクトンが投与されることになった。スピロノラクトンに関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 上皮性Na⁺ チャネルの発現を増加させる。スピロノラクトンはアルドステロンの作用を遮断するため、上皮性Na⁺チャネルの発現を減少させます。
- ⑵ アルドステロン誘導タンパク質の生合成を抑制する。スピロノラクトンは鉱質コルチコイド受容体を遮断し、アルドステロン誘導タンパク質の生合成を抑制します。
- ⑶ 腎尿細管におけるNa⁺, K⁺-ATPase の発現を増加させる。アルドステロンの作用が遮断されるため、Na⁺,K⁺-ATPaseの発現は低下します。
- ⑷ 腎尿細管におけるK⁺ 分泌を促進する。スピロノラクトンはK⁺分泌を抑制するカリウム保持性利尿薬で、高カリウム血症に注意が必要です。
- ⑸ 抗アンドロゲン作用を示す。スピロノラクトンはアンドロゲン受容体も遮断し、女性化乳房などの抗アンドロゲン作用を示します。
解説
正解は⑵と⑸です。スピロノラクトンは鉱質コルチコイド受容体でアルドステロンと競合的に拮抗し、遠位尿細管・集合管でのアルドステロン誘導タンパク質の生合成を抑えます。その結果、上皮性Na⁺チャネルやNa⁺,K⁺-ATPaseの発現が低下し、Na⁺再吸収とK⁺分泌が抑制されるため、原発性アルドステロン症の高血圧と低カリウム血症を改善します。またアンドロゲン受容体も遮断する抗アンドロゲン作用があり、女性化乳房や月経異常の副作用を生じることがあります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成