この患者に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
78 歳女性。夫と2 人暮らしであるが、半年前から物の置き忘れやしまい忘れをするようになった。3 ケ月前から誰もいない庭を指さして「子供たちが遊んでいる。」などと言うようになった。睡眠中に大声を出して、手足をばたつかせることがあるが、本人に自覚はない。心配した夫に連れられ病院を受診した。診察時、受け答えは良好であったが、歩行は小刻み様であった。日付や場所の見当識が一部曖昧であり、ミニメンタルステート検査は30 点満点中23 点であった。また、脳血流SPECT により後頭葉の血流低下が認められた。
この患者に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 前頭葉に著明な萎縮が生じている。前頭葉の著明な萎縮は前頭側頭型認知症の特徴で、本症例では後頭葉の血流低下がみられています。
- ⑵ パーキンソン症状が認められる。小刻み歩行がみられ、レビー小体型認知症に伴うパーキンソン症状が認められます。
- ⑶ 脳梗塞によって二次的に発症した可能性が高い。脳梗塞による二次的な発症は血管性認知症の特徴で、本症例の幻視やREM睡眠行動異常とは合いません。
- ⑷ 幻視やREM 睡眠行動異常が認められる。誰もいない庭に子供が見える幻視と、睡眠中の大声や手足の動き(REM睡眠行動異常)が認められます。
- ⑸ 症状は階段状に悪化する。階段状の悪化は血管性認知症の特徴で、レビー小体型認知症では認知機能が日や時間で変動します。
解説
正解は⑵と⑷です。この患者は、認知機能の低下に加えて、具体的で生々しい幻視(誰もいない庭に子供が見える)、睡眠中に大声や手足の動きがみられるREM睡眠行動異常、小刻み歩行などのパーキンソン症状、後頭葉の血流低下を示しており、レビー小体型認知症が考えられます。前頭葉の著明な萎縮は前頭側頭型認知症の特徴です。脳梗塞による二次的な発症や階段状の悪化は血管性認知症の特徴で、レビー小体型認知症では認知機能の変動がみられます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成