化学物質の毒性に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
化学物質の毒性に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 硫化水素は、ミトコンドリアのシトクロムオキシダーゼの阻害により、細胞呼吸を抑制する。硫化水素はシトクロムcオキシダーゼを阻害して電子伝達系を止め、細胞呼吸を抑制します。
- ⑵ DEHP[フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)]は、ヘム合成に関わる酵素を阻害することで、造血機能障害を生じる。ヘム合成酵素を阻害して造血障害を起こすのは鉛です。DEHPは生殖発生毒性などが問題となります。
- ⑶ 四塩化炭素は、シトクロムP450 によって還元的に脱ハロゲン化されて、肝障害を引き起こす。四塩化炭素はCYPで還元的に脱ハロゲン化されてトリクロロメチルラジカルとなり、肝障害を起こします。
- ⑷ 塩化ビニルモノマーは、アセチルコリンエステラーゼの阻害により、神経毒性を示す。塩化ビニルモノマーはエポキシドに代謝されて肝血管肉腫を起こします。AChE阻害は有機リン剤などの作用です。
- ⑸ カルバリルは、アコニターゼの阻害により、呼吸器障害を生じる。カルバリルはカーバメート系殺虫剤でAChEを阻害します。アコニターゼを阻害するのはフルオロ酢酸です。
解説
正解は⑴と⑶です。硫化水素はシアン化物と同様にミトコンドリアのシトクロムcオキシダーゼを阻害し、細胞呼吸を止めて中毒を起こします。四塩化炭素は肝臓のシトクロムP450により還元的に脱ハロゲン化されてトリクロロメチルラジカルとなり、脂質過酸化を起こして肝細胞を障害します。ヘム合成酵素の阻害は鉛の毒性で、DEHPは生殖毒性などが問題となります。塩化ビニルモノマーは肝血管肉腫、カルバリルはアセチルコリンエステラーゼ阻害、アコニターゼ阻害はフルオロ酢酸の毒性です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成