服用回数を分割する前に、患者に出現していた症状はどれか。1つ選べ。
68 歳女性。54 歳の頃、精神科でうつ病と診断され2 年間ほどセルトラリン塩酸塩錠を服用し、回復した。10 年前(58 歳時)に内科でパーキンソン病と診断され、レボドパ250 mg・カルビドパ配合錠(1 日5 錠、朝2 錠、昼1 錠、夕2錠)で治療を開始した。3 年前(65 歳時)から薬の作用時間が短縮し、服用後時間が経つと安静時振戦や運動緩慢など症状の悪化が見られた。舌突出・異常運動、じっとしていられないなどの症状は出現していなかった。服用回数を5 回に分割したところ症状は落ち着いた。
服用回数を分割する前に、患者に出現していた症状はどれか。1つ選べ。
- ⑴ アカシジアアカシジアはじっとしていられない静座不能で、この患者にはみられていません。
- ⑵ 急性ジストニア急性ジストニアは抗精神病薬などで起こる筋緊張異常で、この患者の症状とは異なります。
- ⑶ 遅発性ジスキネジア遅発性ジスキネジアは舌突出などの不随意運動で、この患者には出現していません。
- ⑷ on-off 現象on-off 現象は服用時間と関係なく症状が急に変動するもので、服用後時間がたって悪化するこの例とは異なります。
- ⑸ wearing-off 現象薬の作用時間が短縮して服用前に症状が悪化する wearing-off 現象で、分割投与で改善します。
解説
正解は⑸です。レボドパの長期服用でドパミン神経の変性が進むと、ドパミンを貯蔵して緩やかに放出する能力が低下し、薬の効果持続時間が短くなって、次の服用前に症状が悪化します。これを wearing-off 現象といい、服用回数を増やして1回量を分割することで改善します。服用時間と関係なく突然症状が変動する on-off 現象とは異なり、舌突出などのジスキネジアも出ていません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成