この患者の家族から、今後のインフルエンザワクチン接種について薬剤師に質問があった…
70 歳男性。自宅にて、39 ℃の発熱及び全身倦怠感を認め、同日中に呼吸困難となったため、家族が救急搬送を依頼した。救急病院に到着後、インフルエンザウイルスの迅速抗原検出キットにて検査したところ、B 型陽性であり、インフルエンザウイルス感染症と診断された。なお、インフルエンザワクチンは未接種だった。また、本人からは高熱による頭痛の訴えがあった。救命救急センター担当医師と薬剤師は、治療方針について、カンファレンスを実施した。
この患者の家族から、今後のインフルエンザワクチン接種について薬剤師に質問があった。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ この患者が予防接種を受ける場合、インフルエンザは予防接種法におけるA類疾病に分類される。高齢者のインフルエンザは、予防接種法の B 類疾病に分類されます。
- ⑵ この患者に対するインフルエンザワクチンの接種にかかる費用は、公的補助の対象とはならない。65歳以上の定期接種は公費の補助の対象で、市町村が費用の一部を負担します。
- ⑶ インフルエンザワクチンの接種においては、鶏卵、鶏肉、その他鶏由来のものに対してアレルギーがある場合には注意が必要である。ワクチンは発育鶏卵で製造されるため、鶏由来成分にアレルギーがある場合は注意が必要です。
- ⑷ インフルエンザワクチンの接種後、この患者に健康被害が生じた場合は、予防接種法に基づいた予防接種健康被害救済制度により救済措置を受けることができる。定期接種による健康被害は、予防接種法に基づく健康被害救済制度で救済されます。
- ⑸ インフルエンザワクチンは弱毒化ワクチンなので、ワクチン接種によりインフルエンザを発症することがある。インフルエンザ HA ワクチンは不活化ワクチンで、接種によりインフルエンザを発症することはありません。
解説
正解は⑶と⑷です。インフルエンザワクチンは発育鶏卵を用いて製造されるため、鶏卵や鶏肉など鶏由来のものにアレルギーがある人は接種要注意者とされています。65歳以上の高齢者へのインフルエンザワクチン接種は予防接種法の B 類疾病の定期接種にあたり、接種費用には公費の補助があります。定期接種による健康被害には、予防接種健康被害救済制度が適用されます。現在のワクチンは不活化ワクチンです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成