抗ウイルス薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
60 歳男性。仕事が忙しく睡眠不足が続いていた。ある日、右側胸部にかゆみを伴った皮疹が現れ、強い痛みも生じたため受診し、帯状疱疹と診断された。
抗ウイルス薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ アメナメビルは、帯状疱疹ウイルスのヘリカーゼ・プライマーゼ複合体のDNA 依存性ATPase 活性を阻害して、mRNA の合成を阻害する。アメナメビルはヘリカーゼ・プライマーゼ複合体を阻害して、ウイルスの DNA 複製を阻害します。mRNA 合成ではありません。
- ⑵ ガンシクロビルは、サイトメガロウイルスのチミジンキナーゼにより一リン酸化された後、宿主細胞キナーゼで三リン酸化体まで変換されて、ウイルスのRNA ポリメラーゼを阻害する。ガンシクロビルはウイルスのプロテインキナーゼ(UL97)で一リン酸化され、ウイルスの DNA ポリメラーゼを阻害します。
- ⑶ オセルタミビルは、インフルエンザウイルスが宿主細胞から遊離する際に働くノイラミニダーゼを阻害して、インフルエンザウイルスの増殖を抑制する。オセルタミビルはノイラミニダーゼを阻害し、ウイルスの宿主細胞からの遊離を抑えます。
- ⑷ ホスカルネットは、サイトメガロウイルスのRNA ポリメラーゼのピロリン酸結合部位に結合して、RNA の合成を阻害する。ホスカルネットはウイルスの DNA ポリメラーゼのピロリン酸結合部位に結合し、DNA 合成を阻害します。
- ⑸ アシクロビルは、三リン酸化体に変換されて、帯状疱疹ウイルスに感染した宿主細胞内でデオキシグアノシン三リン酸(dGTP)と競合して、ウイルスのDNAポリメラーゼを阻害する。アシクロビル三リン酸は dGTP と競合して、ウイルスの DNA ポリメラーゼを阻害します。
解説
正解は⑶と⑸です。オセルタミビルは、インフルエンザウイルスが感染細胞から遊離する際に必要なノイラミニダーゼを阻害し、ウイルスの増殖・拡散を抑えます。アシクロビルはウイルスのチミジンキナーゼで一リン酸化された後、宿主の酵素で三リン酸化され、dGTP と競合してウイルスの DNA ポリメラーゼを阻害します。ヘルペスウイルスやサイトメガロウイルスは DNA ウイルスなので、標的は DNA 合成です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成