未使用のコーン油とオリーブ油について、油脂の変質に対する温度の影響を調べる実験を…
未使用のコーン油とオリーブ油について、油脂の変質に対する温度の影響を調べる実験を行った。実験では、60 ℃の一定温度で7 週間保存し、1 週間ごとに過酸化物価(meq/kg)と酸価(mg/g)の測定を行った。結果は以下のグラフに示すとおりである。なお、実験に用いたコーン油とオリーブ油の実験開始前(開封直後)におけるヨウ素価(g/100 g)は、コーン油が124、オリーブ油が75 であった。コーン油はリノール酸を、オリーブ油はオレイン酸を最も多く含む。コーン油とオリーブ油の変質試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 測定値Aは過酸化物価、測定値Bは酸価である。自動酸化では過酸化物価が先に上昇し、分解が進んでから酸価が上昇するため、Aが過酸化物価、Bが酸価です。
- ⑵ コーン油は、オリーブ油よりも開封直後のヨウ素価が大きいことから、飽和脂肪酸を多く含むことがわかる。ヨウ素価が大きいことは不飽和度が高いことを示し、飽和脂肪酸ではなく不飽和脂肪酸が多いことを意味します。
- ⑶ コーン油は、オリーブ油よりも早い時期に測定値Aの値が上昇していることから、オリーブ油よりも酸化しやすいことがわかる。コーン油は二重結合の多いリノール酸に富むため、オリーブ油より早く過酸化物価が上昇し、酸化されやすいといえます。
- ⑷ コーン油とオリーブ油は、いずれも測定値Bが4 週目から上昇していることから、酸化のされやすさは同じであることがわかる。酸化のされやすさは過酸化物価の上昇時期などで判断し、測定値Bの上昇時期が同じでも酸化されやすさが同じとはいえません。
- ⑸ 未使用のコーン油とオリーブ油を低温・暗所で保存した場合では、測定値Aと測定値Bの値の上昇の程度は、この実験結果よりも増加すると予想される。低温・暗所では自動酸化が抑えられるため、測定値の上昇の程度はこの実験より小さくなると予想されます。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴と⑶です。油脂の自動酸化では、まず不飽和脂肪酸からヒドロペルオキシドが生成して過酸化物価が上昇し、その後分解が進むと遊離脂肪酸などが増えて酸価が上昇します。先に大きく上昇する測定値Aが過酸化物価、遅れて上昇するBが酸価と考えられます。コーン油は二重結合の多いリノール酸を多く含みヨウ素価が大きいため、オレイン酸主体のオリーブ油より早く酸化が進みます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成