アブラキサン®点滴静注用の製剤学的特徴に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ…
52 歳女性。約1 年前に乳癌(ホルモン受容体陰性、HER2 陰性)と診断され、術後化学療法としてAC(ドキソルビシン + シクロホスファミド)療法を受けたが、最近、再発が認められた。そこで二次治療として、アブラキサン®点滴静注用(注)による化学療法を実施することになった。(注:パクリタキセル注射剤(アルブミン懸濁型))
アブラキサン®点滴静注用の製剤学的特徴に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 懸濁化剤として、メチルセルロースが添加されている。アブラキサンは人血清アルブミンでパクリタキセルを分散させた製剤で、メチルセルロースは添加されていません。
- ⑵ パクリタキセルを人血清アルブミンに結合させてナノ粒子化した製剤である。パクリタキセルを人血清アルブミンに結合させてナノ粒子化した製剤です。
- ⑶ 保存剤が含まれるため、懸濁液は冷所で約1 週間保存できる。保存剤は含まれておらず、懸濁後は速やかに使用する必要があり、1週間保存できるわけではありません。
- ⑷ 点滴静注後、血液中で微粒子は崩壊することなく安定に存在し、パクリタキセルが腫瘍に効率よく集積する。投与後のナノ粒子は血液中で速やかに崩壊し、アルブミンと結合したパクリタキセルとして作用すると考えられています。
- ⑸ 用時懸濁して用いる凍結乾燥注射剤である。凍結乾燥した粉末を生理食塩液で用時懸濁して用いる注射剤です。
解説
正解は⑵と⑸です。アブラキサンは、難溶性のパクリタキセルを人血清アルブミンと結合させてナノ粒子化した製剤で、溶解補助剤のポリオキシエチレンヒマシ油やエタノールを含みません。凍結乾燥した粉末を生理食塩液で用時懸濁して用いる注射剤です。懸濁化剤としてメチルセルロースは添加されておらず、保存剤も含まないため、懸濁後は速やかに使用します。投与後、粒子は血液中で速やかに崩壊し、アルブミンと結合したパクリタキセルとして腫瘍に運ばれると考えられています。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成