処方1 のいずれかの薬物の薬理作用にあてはまるのはどれか。2つ選べ。
59 歳男性。体重72 kg。糖尿病、高血圧、脂質異常症に対する治療を受けていた。同時期にうつ病に対しパロキセチンで治療を開始したが、抑うつが改善した後気分が高揚したため、双極性障害と診断され任意入院した。入院後特に焦燥感が強いと患者から訴えがあった。現在の服用薬剤は処方1 のとおり。(処方1 )炭酸リチウム錠200 mg 1 回2 錠(1 日2 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分リスペリドン錠1 mg 1 回3 錠(1 日6 錠)1 日2 回 朝夕食後 14 日分ロスバスタチン錠2.5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 夕食後 14 日分メトホルミン塩酸塩錠500 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)1 日2 回 朝夕食後 14 日分オルメサルタン メドキソミル錠20 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分
処方1 のいずれかの薬物の薬理作用にあてはまるのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ B 型モノアミンオキシダーゼ(MAOB)の阻害MAOBの阻害はセレギリンなどの作用で、処方1の薬物には当てはまりません。
- ⑵ ドパミンD2 受容体とセロトニン5-HT2A 受容体の遮断リスペリドンはD2受容体と5-HT2A受容体を遮断するSDAです。
- ⑶ ホスファチジルイノシトール(PI)代謝回転の促進炭酸リチウムはイノシトールモノホスファターゼを阻害して、PI代謝回転を抑制します。
- ⑷ アンジオテンシン変換酵素の阻害オルメサルタンはAT1受容体遮断薬で、ACE阻害薬ではありません。
- ⑸ AMP 活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性化メトホルミンはAMPKを活性化して、肝臓での糖新生を抑制します。
解説
正解は⑵と⑸です。処方1のうち、リスペリドンはドパミンD2受容体とセロトニン5-HT2A受容体を遮断するセロトニン・ドパミン遮断薬(SDA)です。メトホルミンはAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化して、肝臓での糖新生を抑えます。炭酸リチウムはイノシトールモノホスファターゼを阻害してPI代謝回転をむしろ抑制します。オルメサルタンはAT1受容体遮断薬(ARB)で、ACE阻害薬ではありません。MAOB阻害薬も処方されていません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成