この患者の情報から、処方された抑肝散エキス顆粒によって改善が期待される症状として…
70 歳男性。1 年前に妻ががんで死亡し、娘夫婦と同居している。半年前から、元気がなく、物忘れをすることがあった。最近、「妻が私の隣に座って話しかけてくることがある」、「自分は邪魔にされている」、「娘の子供が私のお金を盗む」などの発言をするようになったので、娘に付き添われて病院を受診した。レビー小体型認知症と診断され、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。(処方)ドネペジル塩酸塩口腔内崩壊錠3 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分抑肝散エキス顆粒 1 回2.5 g(1 日7.5 g)1 日3 回 朝昼夕食前 14 日分
この患者の情報から、処方された抑肝散エキス顆粒によって改善が期待される症状として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 幻覚亡くなった妻が見えるという幻覚は、抑肝散によって改善が期待されるBPSDです。
- ⑵ 物忘れ物忘れは認知症の中核症状で、抑肝散ではなくドネペジルなどで対応します。
- ⑶ 妄想お金を盗まれるといった妄想は、抑肝散で改善が期待されるBPSDです。
- ⑷ 見当識障害見当識障害は中核症状で、抑肝散の主な適応対象ではありません。
- ⑸ 運動障害パーキンソニズムなどの運動障害は抑肝散で改善が期待される症状ではありません。
解説
正解は⑴と⑶です。抑肝散は神経の高ぶりを鎮める漢方薬で、認知症の行動・心理症状(BPSD)である幻覚、妄想、興奮、易怒性などの改善に用いられます。この患者の「亡くなった妻が隣に座って話しかけてくる」はレビー小体型認知症に特徴的な幻視(幻覚)、「お金を盗む」「邪魔にされている」は物盗られ妄想や被害妄想です。一方、物忘れや見当識障害といった中核症状にはドネペジルが用いられ、抑肝散の主な対象ではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成