75 歳男性。2 ヶ月前より顔面蒼白を家族に指摘されていた。最近、手足のしびれと…
75 歳男性。2 ヶ月前より顔面蒼白を家族に指摘されていた。最近、手足のしびれと味覚異常を自覚し、倦怠感が増大したため受診した。既往歴として15 年前に胃の全摘術を受けている。血液検査所見: 赤血球数240 × 10⁴/μL、Hb 8.1 g/dL、Ht 27.0%、MCV 113 fL、MCH 34 pg、白血球数4,200/μL、血小板数18.5 × 10⁴/μLこの患者の治療に適している薬剤はどれか。1つ選べ。
- ⑴ 10%ブドウ糖注射剤ブドウ糖注射剤はエネルギーや水分の補給に用いるもので、ビタミンB12欠乏の治療にはなりません。
- ⑵ 含糖酸化鉄注射剤含糖酸化鉄は鉄欠乏性貧血(小球性貧血)の治療薬で、この大球性貧血には適しません。
- ⑶ デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射剤デキサメタゾンは副腎皮質ステロイドで、自己免疫性溶血性貧血などに用いますが、本症例には適しません。
- ⑷ メコバラミン注射剤胃全摘後の内因子欠乏によるビタミンB12欠乏性貧血には、メコバラミンの注射が適しています。
- ⑸ メトトレキサート注射剤メトトレキサートは葉酸代謝拮抗薬で、むしろ巨赤芽球性貧血を起こし得るため不適切です。
解説
正解は⑷です。この患者はMCVが113 fLと大きい大球性貧血で、手足のしびれや味覚異常(舌炎)を伴っています。胃の全摘術で内因子が分泌されなくなり、ビタミンB12が吸収できなくなったことによる巨赤芽球性貧血と考えられます。手術から数年以上たって体内の貯蔵が尽きると発症するため、15年前の手術歴とも矛盾しません。吸収障害があるため、経口ではなくメコバラミンなどのビタミンB12製剤を注射で補充します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成