真核細胞における転写に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
真核細胞における転写に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ 基本転写因子群とRNA ポリメラーゼが結合するDNA 領域をプロモーターという。基本転写因子とRNAポリメラーゼⅡが結合して転写を始めるDNA領域をプロモーターといい、正しい記述です。
- ⑵ 転写調節因子は特定のDNA 配列に結合し、転写を調節する。転写調節因子はエンハンサーなど特定の配列に結合して転写を調節するので、正しい記述です。
- ⑶ 転写活性化因子は、ヒストンアセチル化酵素(HAT)を活性化して、クロマチンの凝縮を促進する。HATによるヒストンのアセチル化はクロマチンを弛緩させて転写を促進するので、「凝縮を促進」は誤りです。
- ⑷ 転写されたmRNA の5ʼ 末端にはキャップ構造が、3ʼ 末端にはポリアデニル酸がそれぞれ付加される。mRNA前駆体の5′末端にはキャップ構造、3′末端にはポリA尾部が付加されるので、正しい記述です。
- ⑸ mRNA の成熟過程で、イントロンが除去される。mRNAの成熟過程ではスプライシングでイントロンが除去されるので、正しい記述です。
解説
正解は⑶です。転写活性化因子は、ヒストンアセチル化酵素(HAT)をプロモーター付近に呼び寄せてヒストンをアセチル化させます。アセチル化でリシン残基の正電荷が打ち消されるとDNAとの結合が弱まり、クロマチンは凝縮ではなく弛緩して、転写因子が結合しやすくなります。⑴⑵⑷⑸はいずれも真核細胞の転写と転写後修飾の正しい記述で、mRNAは5′キャップ、3′ポリA付加、スプライシングを経て成熟します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成