高血圧でフェロジピンを服用している60歳の男性が、毎朝コップ1杯のグレープフルー…
高血圧でフェロジピンを服用している60歳の男性が、毎朝コップ1杯のグレープフルーツジュースを飲むようになったところ、めまいと動悸が現れた。この飲み合わせで薬の生体内利用率が上がる理由として、正しいのはどれか。
- ⑴ ジュースの成分が肝臓のグルクロン酸抱合を誘導し、作用の強い代謝物が増えるため。影響の中心は小腸のシトクロムP450 3A4の阻害で、抱合の誘導ではありません。
- ⑵ ジュースの酸で胃の中のpHが下がり、塩基性のこの薬の溶解度が大きく上がって吸収が増えるため。ジュースによるpHの変化は小さく、生体内利用率が上がる主な理由は小腸での代謝の阻害です。
- ⑶ ジュースの成分が小腸のシトクロムP450 3A4を不可逆的に阻害し、吸収の途中での代謝が減るため。フラノクマリン類が小腸の代謝酵素を失活させ、初回通過での代謝が減って血中濃度が上がります。
- ⑷ ジュースに含まれる糖が胃内容排出を速め、小腸に届くまでの時間が短くなるため。胃内容排出の速さは主に吸収の速さに関わり、吸収される量を大きく増やす理由にはなりません。
- ⑸ ジュースの成分が腎臓の尿細管での分泌を阻害し、薬の尿中への排泄が遅れるため。この相互作用は吸収の過程で起こるもので、腎臓からの排泄の阻害によるものではありません。
解説
正解は、ジュースの成分が小腸の上皮のシトクロムP450 3A4を不可逆的に阻害し、吸収の途中での代謝が減るためです。グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類は小腸の酵素を失活させ、フェロジピンなどこの酵素で代謝されやすい薬の初回通過効果を減らします。酵素が新たにつくられるまで数日かかるため、服用の時刻をずらしても影響は避けられず、飲むのを控えるよう指導します。
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