沖縄県で育った70歳の男性。長く続く下痢と皮膚のかゆみがあり、便の検査で糞線虫が…
沖縄県で育った70歳の男性。長く続く下痢と皮膚のかゆみがあり、便の検査で糞線虫が見つかり、イベルメクチンが処方された。この薬の作用の仕組みとして、正しいのはどれか。
- ⑴ 無脊椎動物のグルタミン酸作動性クロライドチャネルに結合し、虫体を麻痺させる。イベルメクチンはこのチャネルを開いて塩化物イオンを流入させ、虫体を麻痺させます。
- ⑵ 虫体の微小管をつくるチューブリンに結合し、ブドウ糖の取り込みを妨げて弱らせる。これはアルベンダゾールなどのベンズイミダゾール系の作用です。
- ⑶ 虫体のニコチン性受容体を刺激して脱分極性の麻痺を起こし、腸から排出させる。これはピランテルの作用で、蟯虫などに用います。
- ⑷ 虫体の外皮でカルシウムの透過性を高め、強い収縮と外皮の障害を起こす。これはプラジカンテルの作用で、吸虫や条虫に用います。
- ⑸ 原虫の中で還元されて反応性の高い代謝物となり、DNAを傷つけて殺す。これはメトロニダゾールの作用で、原虫や嫌気性菌に用います。
解説
正解は、無脊椎動物の神経や筋のグルタミン酸作動性クロライドチャネルに結合し、虫体を麻痺させるというものです。イベルメクチンはこのチャネルを開いて塩化物イオンの流入を増やし、神経や筋を過分極させて虫体を麻痺させます。ヒトのこのチャネルはなく、脳への移行も少ないため選択毒性が高い薬です。糞線虫症のほか疥癬にも用いられ、空腹時に水とともに服用します。
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