骨格筋の神経筋接合部では、神経の末端からアセチルコリンが放出されると、数ミリ秒の…
骨格筋の神経筋接合部では、神経の末端からアセチルコリンが放出されると、数ミリ秒のうちに筋の細胞膜が脱分極する。この速い応答を可能にしている受容体の性質として、正しいのはどれか。
- ⑴ Gたんぱく質を介してアデニル酸シクラーゼを活性化し、サイクリックAMPを増やして収縮を起こす。Gたんぱく質共役型受容体の応答は複数の段階を経るため、数ミリ秒の速さにはなりません。
- ⑵ 細胞の核の中へ移って遺伝子の転写を促し、収縮に関わるたんぱく質の合成を増やす。核内受容体の作用は転写とたんぱく質の合成を経るため、数時間以上かかります。
- ⑶ 受容体自体がチロシンキナーゼで、自己リン酸化によって細胞内のカルシウム濃度を下げる。チロシンキナーゼ型受容体は主に増殖や代謝の調節に関わり、神経筋の伝達は担いません。
- ⑷ ホスホリパーゼCを活性化し、生じたイノシトール三リン酸が筋小胞体からカルシウムを放出させる。これはGq共役型受容体の経路で、骨格筋の神経筋接合部の受容体の仕組みではありません。
- ⑸ 受容体そのものがイオンチャネルで、結合と同時に陽イオンが流入して膜が脱分極する。ニコチン性アセチルコリン受容体は陽イオンを通すチャネルで、セカンドメッセンジャーを介さないため応答が速いです。
解説
正解は、受容体そのものがイオンチャネルで、結合と同時に陽イオンが流入して脱分極するというものです。神経筋接合部のニコチン性アセチルコリン受容体は、5つのサブユニットからなるイオンチャネル内蔵型の受容体です。アセチルコリンが結合するとチャネルが開いてナトリウムイオンなどが流入し、セカンドメッセンジャーを介さずに数ミリ秒で膜が脱分極します。Gたんぱく質共役型や核内受容体の応答はこれより遅くなります。
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