以前ドライクリーニングなどに使われていた四塩化炭素を吸い込んだ作業者に、肝細胞の…
以前ドライクリーニングなどに使われていた四塩化炭素を吸い込んだ作業者に、肝細胞の壊死を伴う肝障害が起きた。この物質が肝臓を傷つける仕組みとして、正しいのはどれか。
- ⑴ ヘモグロビンを酸化してメトヘモグロビンをつくり、肝臓への酸素の供給を断つ。メトヘモグロビン血症を起こすのは亜硝酸塩やアニリンなどです。
- ⑵ グルタチオンと抱合されて活性が上がり、胆汁の中で結晶となって胆管をふさぐ。グルタチオン抱合は多くの場合、反応性の高い代謝物を無毒化する働きをします。
- ⑶ シトクロムP450で代謝されてラジカルを生じ、細胞膜の脂質を過酸化する。四塩化炭素は代謝的に活性化されてラジカルとなり、脂質の過酸化で肝細胞を壊します。
- ⑷ アルコール脱水素酵素で酸化されてシュウ酸となり、肝細胞の中に沈着する。シュウ酸を生じて腎臓に沈着するのはエチレングリコールの代謝の特徴です。
- ⑸ 代謝を受けない元の形のまま肝細胞のDNAに直接結合し、細胞の分裂を止めて壊死させる。四塩化炭素の肝毒性は代謝的な活性化によるもので、元の形のまま作用するのではありません。
解説
正解は、シトクロムP450で代謝されてトリクロロメチルラジカルを生じ、脂質の過酸化を起こすというものです。四塩化炭素は肝臓で還元的に代謝されて反応性の高いラジカルとなり、細胞膜の不飽和脂肪酸を過酸化して肝細胞を壊死させます。このように、物質そのものではなく代謝物が毒性を示すことを代謝的活性化といいます。アルコールの常飲で代謝酵素が増えている人では、障害が強まることがあります。
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