がん細胞の多くでは、DNAが傷ついても細胞周期が止まらずに増殖が続く。これに対し…
がん細胞の多くでは、DNAが傷ついても細胞周期が止まらずに増殖が続く。これに対し、DNAに損傷を受けた正常な細胞で起こる反応として、正しいのはどれか。
- ⑴ テロメラーゼが活性化して染色体の末端を伸ばし、分裂を急いで完了させて損傷を薄める。テロメラーゼは染色体の末端を保つ酵素で、損傷を受けたときに分裂を急がせる働きはありません。
- ⑵ 直ちにM期へ進み、紡錘体の形成を早めて、傷ついた染色体を娘細胞へ分けて渡す。正常な細胞では、損傷があると分裂へ進む前の段階で細胞周期が止められます。
- ⑶ 損傷を感知してp53たんぱく質が増え、細胞周期を止めて修復するか、アポトーシスへ導く。p53はチェックポイントで働く転写因子で、細胞周期の停止やアポトーシスを引き起こします。
- ⑷ 傷ついた部分のDNAはリボソームで分解され、細胞は休むことなく増殖を続けていく。リボソームはたんぱく質を合成する場で、DNAの分解には関わりません。
- ⑸ サイクリン依存性キナーゼの活性が高まり、S期への移行が早まることで損傷が修復される。損傷時にはサイクリン依存性キナーゼの働きが抑えられ、S期への移行が止められます。
解説
正解は、p53たんぱく質が安定化して細胞周期を止め、修復できなければアポトーシスへ導くというものです。p53はがん抑制遺伝子の産物で、DNAの損傷を受けると分解されにくくなって増え、サイクリン依存性キナーゼの阻害たんぱく質の発現を高めます。その結果、細胞周期がG1期などで止まり、修復の時間がつくられます。がん細胞ではp53の遺伝子に変異があることが多く、この仕組みが働きません。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。