感染症の診断で、検体に含まれるわずかな量の病原体の遺伝子を、ポリメラーゼ連鎖反応…
感染症の診断で、検体に含まれるわずかな量の病原体の遺伝子を、ポリメラーゼ連鎖反応で増やして検出した。この反応の原理として、正しいのはどれか。
- ⑴ 逆転写酵素で標的のたんぱく質からDNAを合成し、そのDNAの量を色の変化として測る。逆転写酵素はRNAを鋳型にDNAを合成する酵素で、たんぱく質を鋳型にすることはありません。
- ⑵ 一定の低い温度に保ち、DNAリガーゼが標的の断片どうしを次々につないで長い鎖にしていく。DNAリガーゼは断片を連結する酵素で、温度を上下させる増幅の反応で働く酵素ではありません。
- ⑶ 加熱による一本鎖への解離、プライマーの結合、耐熱性ポリメラーゼでの伸長を繰り返す。変性・プライマーの結合・伸長の3段階を温度を変えて繰り返し、標的の領域を指数関数的に増やします。
- ⑷ 制限酵素で標的の遺伝子を切り出し、プラスミドに組み込んで大腸菌の中で増やす操作を繰り返す。これは遺伝子のクローニングの手順で、試験管の中だけで増やすポリメラーゼ連鎖反応とは異なります。
- ⑸ 標識した抗体を標的の遺伝子に結合させ、その結合の量を発光の強さとして読み取る。抗体を用いるのは免疫測定法で、遺伝子の配列を増やすポリメラーゼ連鎖反応の原理とは異なります。
解説
正解は、加熱による一本鎖への分離、プライマーの結合、耐熱性のDNAポリメラーゼによる伸長を繰り返すというものです。1回の繰り返しで標的の領域はおよそ2倍になるため、繰り返すほど指数関数的に増え、わずかな遺伝子でも検出できるようになります。高温の段階でも失活しない耐熱性の酵素を使うことが要点です。プラスミドと大腸菌を用いる方法はクローニングで、抗体を用いる方法は免疫測定法です。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。