2歳の男児。自宅で、車の不凍液を誤って飲んだ。不凍液の主成分はエチレングリコール…
2歳の男児。自宅で、車の不凍液を誤って飲んだ。不凍液の主成分はエチレングリコールである。救急外来で、中毒のしくみと治療が検討された。化学物質の毒性に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ エチレングリコールは代謝されて生じるシュウ酸で腎障害を起こす。代謝物のシュウ酸がカルシウムと結晶をつくり、腎臓を傷つけます。
- ⑵ この中毒の治療には、アルコール脱水素酵素を阻害するホメピゾールが用いられる。毒性のある代謝物への変換を止めるため、最初の代謝酵素を阻害します。
- ⑶ カーバメート系殺虫剤は、コリンエステラーゼを不可逆的にリン酸化して阻害する。カーバメート系はコリンエステラーゼを可逆的にカルバモイル化します。
- ⑷ 四塩化炭素は代謝を受けずに、未変化体のまま肝臓の細胞を傷つける。四塩化炭素はシトクロムP450で代謝され、生じたラジカルが肝臓を傷つけます。
- ⑸ パラコートは主に腎臓に集まり、肺の障害は起こさない。パラコートは肺に集まって活性酸素を生じ、肺線維症を起こします。
解説
正解は⑴と⑵です。エチレングリコールは肝臓のアルコール脱水素酵素などで代謝されてシュウ酸を生じ、シュウ酸カルシウムの結晶で腎障害を起こし、代謝性アシドーシスも起こします。治療には、アルコール脱水素酵素を阻害するホメピゾールが用いられます。四塩化炭素は代謝で生じたラジカルが肝臓を障害し、パラコートは肺を障害します。カーバメート系の阻害は可逆的です。
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