ある薬物を静脈内に投与したときの腎クリアランスは300 mL/分であった。この患…
ある薬物を静脈内に投与したときの腎クリアランスは300 mL/分であった。この患者の糸球体ろ過速度は120 mL/分で、この薬物は血漿たんぱく質とほとんど結合しない。この結果から考えられることとして、正しいのはどれか。
- ⑴ ろ過だけでは説明できない量が尿中へ出ており、尿細管での分泌を受けている。ろ過される量は糸球体ろ過速度と遊離形の割合の積を超えないため、それより大きい分は尿細管分泌によるものです。
- ⑵ 血漿たんぱく質との結合が強いため、ろ過される量が制限されている。設問では結合がほとんどないとされており、結合による制限ではろ過速度を超える値は説明できません。
- ⑶ 糸球体でろ過されたあと、その大部分が尿細管で再吸収されている。再吸収が大きければ腎クリアランスは糸球体ろ過速度より小さくなり、この結果とは逆になります。
- ⑷ 主に肝臓で代謝されて消失し、尿中にはほとんど未変化体が出ていない。腎クリアランスが大きいことは、未変化体が尿中へ多く出ていることを示します。
- ⑸ 腎クリアランスは、どのような薬物でも糸球体ろ過速度と同じ値になるはずである。腎クリアランスはろ過、分泌、再吸収の兼ね合いで決まり、薬物ごとに大きく異なります。
解説
正解は⑴です。腎クリアランスは、ろ過、尿細管分泌、尿細管再吸収の兼ね合いで決まります。ろ過だけで排泄される場合の腎クリアランスは、糸球体ろ過速度と遊離形の割合の積にとどまります。この薬物は血漿たんぱく質とほとんど結合しないので、ろ過による値はおよそ120 mL/分ですが、実際には300 mL/分と大きく、尿細管で分泌されていると考えられます。再吸収が大きい場合は逆に小さな値になります。
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