60歳の男性。肺がんでシスプラチンを含む化学療法を受けることになり、投与の前後に…
60歳の男性。肺がんでシスプラチンを含む化学療法を受けることになり、投与の前後に大量の輸液を行い、マグネシウムも補う計画が立てられた。シスプラチンの作用と副作用対策の組み立てとして、正しいのはどれか。
- ⑴ 葉酸の代謝を阻害して核酸の合成を止めるため、投与後に活性型葉酸を補って正常な細胞を救う。活性型葉酸による救援療法を行うのは、メトトレキサートの大量療法です。
- ⑵ DNAの塩基の間に架橋をつくって複製を妨げ、腎尿細管の障害を防ぐため、輸液で尿量を確保する。シスプラチンは白金錯体でDNAに架橋をつくり、腎障害を防ぐため十分な輸液と尿量の確保が行われます。
- ⑶ 活性代謝物のアクロレインが膀胱の粘膜を傷つけるため、メスナを併用して出血性膀胱炎を防ぐ。アクロレインによる膀胱炎とメスナの併用は、シクロホスファミドやイホスファミドの対策です。
- ⑷ DNAを切断する作用が肺に及んで間質性肺炎や肺線維症が起こりやすいため、総投与量と呼吸機能を確認する。肺線維症に特に注意して総投与量を管理するのは、ブレオマイシンです。
- ⑸ 鉄と錯体をつくって活性酸素を生じ、心筋が傷つくため、生涯の総投与量に上限を設けて管理する。総投与量で心毒性を管理するのは、ドキソルビシンなどのアントラサイクリン系薬です。
解説
正解は⑵です。シスプラチンは白金を含む錯体で、DNAの塩基の間に架橋をつくって複製と転写を妨げます。主な副作用は腎尿細管の障害で、予防のために投与の前後に大量の輸液を行い、尿量を確保します。腎からのマグネシウムの喪失も起こるため補充が行われます。このほか強い悪心・嘔吐や聴力障害にも注意します。メスナはシクロホスファミド、総投与量による心毒性の管理はドキソルビシンの対策です。
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