12歳の女子。発熱と関節痛があり、インフルエンザと診断されてバロキサビル マルボ…
12歳の女子。発熱と関節痛があり、インフルエンザと診断されてバロキサビル マルボキシルの錠剤が1回だけ服用するよう処方された。この薬の作用のしくみとして、正しいのはどれか。
- ⑴ 核酸の類似体としてウイルスのRNAに取り込まれ、RNA依存性RNAポリメラーゼの働きを乱す。核酸類似体としてポリメラーゼを阻害するのはファビピラビルです。
- ⑵ ノイラミニダーゼを阻害し、感染した細胞から新しくできたウイルスが離れるのを妨げる。ノイラミニダーゼを阻害するのはオセルタミビルやザナミビルなどです。
- ⑶ ウイルス膜のM2たんぱく質のイオンチャネルを阻害し、細胞内での脱殻を妨げる。M2たんぱく質を阻害するのはアマンタジンで、A型にしか効かず耐性も多くみられます。
- ⑷ 宿主のmRNAの先端を切り取るウイルスの酵素を阻害し、ウイルスの転写を抑える。バロキサビルの活性体はキャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害し、ウイルスの転写を止めます。
- ⑸ ウイルスのRNAをDNAへ逆転写する酵素を阻害し、宿主の染色体への組み込みを妨げる。インフルエンザウイルスは逆転写を行わず、逆転写酵素阻害薬はHIV感染症などに用いられます。
解説
正解は⑷です。インフルエンザウイルスは、宿主のmRNAの先端のキャップ構造を切り取って自分のmRNA合成に利用します。バロキサビルの活性体は、この切り取りを行うキャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害し、ウイルスの増殖を抑えます。1回の服用で治療が完了する点が特徴です。ノイラミニダーゼ阻害薬はウイルスの遊離を、ファビピラビルはRNAポリメラーゼを、アマンタジンはM2たんぱく質を標的とします。
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