55歳の男性。川魚の刺身を好んで食べている。健康診断で肝機能の異常を指摘され、精…
55歳の男性。川魚の刺身を好んで食べている。健康診断で肝機能の異常を指摘され、精密検査で便から肝吸虫の虫卵が見つかり、プラジカンテルが処方された。プラジカンテルが虫体に作用するしくみとして、正しいのはどれか。
- ⑴ 嫌気性の原虫の中でニトロ基が還元されて生じる物質が、虫体のDNAを傷つける。ニトロ基の還元でDNAを傷つけるのは、メトロニダゾールなどの原虫やトリコモナスの治療薬です。
- ⑵ 虫体のチューブリンに結合して微小管の形成を妨げ、糖の取り込みを止めて虫体を弱らせる。チューブリンに結合して糖の取り込みを妨げるのは、アルベンダゾールなどのベンズイミダゾール系薬です。
- ⑶ 虫体のグルタミン酸作動性クロライドチャネルを開き、神経と筋の過分極によるまひを起こす。グルタミン酸作動性クロライドチャネルに作用するのは、イベルメクチンです。
- ⑷ 虫体のニコチン性アセチルコリン受容体を刺激し、脱分極性のけいれん性まひを起こす。ニコチン受容体を刺激して虫体をまひさせるのは、ピランテルパモ酸塩です。
- ⑸ 虫体の細胞膜のカルシウムイオンの透過性を高め、筋肉を持続的に収縮させてまひさせる。プラジカンテルは吸虫や条虫の外皮を傷つけ、カルシウムの流入で虫体を強く収縮させます。
解説
正解は⑸です。肝吸虫は川魚に寄生した幼虫を生で食べることで感染します。プラジカンテルは吸虫と条虫に効く薬で、虫体の細胞膜のカルシウムイオンの透過性を高め、筋肉を持続的に収縮させてまひさせるとともに外皮を傷つけます。ピランテルパモ酸塩はニコチン受容体を、イベルメクチンはグルタミン酸作動性クロライドチャネルを、アルベンダゾールはチューブリンを標的とし、メトロニダゾールは原虫に用いられます。
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