40歳の女性。月経の量が多く、婦人科でトラネキサム酸が処方された。この薬が出血を…
40歳の女性。月経の量が多く、婦人科でトラネキサム酸が処方された。この薬が出血を抑えるしくみとして、正しいのはどれか。
- ⑴ 毛細血管の透過性を下げ、血管壁の抵抗力を強めて出血を止める。血管の透過性を下げて血管壁を強めるのはカルバゾクロムなどで、トラネキサム酸とは作用が異なります。
- ⑵ プラスミノーゲンのリシン結合部位に結合し、フィブリンへの結合を妨げて線溶を抑える。トラネキサム酸はリシンに似た構造をもち、プラスミノーゲンやプラスミンがフィブリンに結合するのを妨げます。
- ⑶ 肝臓でのビタミンK依存性凝固因子の合成を促し、凝固の反応を早める。ビタミンK依存性凝固因子の合成を助けるのはビタミンK製剤で、トラネキサム酸は線溶系に作用します。
- ⑷ 血小板のADP受容体を刺激し、血小板の凝集を強めて止血を早める。ADP受容体に作用する薬はクロピドグレルなどの阻害薬で、トラネキサム酸は血小板に作用しません。
- ⑸ 強い陽性荷電によってヘパリンと結合し、その抗凝固作用を中和する。陽性荷電でヘパリンと結合して中和するのはプロタミンです。
解説
正解は⑵です。トラネキサム酸はリシンに似た構造をもつ抗プラスミン薬で、プラスミノーゲンやプラスミンのリシン結合部位に結合し、これらがフィブリンに結合するのを妨げます。その結果、フィブリンの分解である線溶が抑えられ、出血が止まりやすくなります。月経過多や抜歯後の出血などに用いられます。ビタミンKは凝固因子の合成を、カルバゾクロムは血管壁を、プロタミンはヘパリンの中和を担います。
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