生後5か月の乳児。数日前から便秘が続き、ミルクの飲みが悪く、泣き声が弱くなり、首…
生後5か月の乳児。数日前から便秘が続き、ミルクの飲みが悪く、泣き声が弱くなり、首のすわりも悪くなった。母親は、離乳の準備としてはちみつを湯に溶かして与えていた。原因と考えられる微生物と、その説明として、正しいのはどれか。
- ⑴ 腸炎ビブリオで、はちみつに含まれる高い濃度の塩分を好んで増殖した。腸炎ビブリオは魚介類から感染する好塩菌で、はちみつとは結びつきません。
- ⑵ ノロウイルスで、はちみつの中でウイルスが増殖し、乳児に感染した。ウイルスは食品の中では増殖せず、嘔吐や下痢が主な症状となります。
- ⑶ 黄色ブドウ球菌で、はちみつの中であらかじめつくられた毒素が、加熱で壊れずに残っていた。黄色ブドウ球菌の毒素は嘔吐を主とし、数時間で発症するため、この経過とは合いません。
- ⑷ カンピロバクターで、感染から数時間のうちに手足のまひが現れた。カンピロバクター感染の後に起こる神経のまひは、数週間後に現れるギラン・バレー症候群です。
- ⑸ ボツリヌス菌で、芽胞が腸の中で発芽して毒素をつくるため、1歳未満の乳児にははちみつを与えない。乳児は腸内細菌叢が未熟なため、はちみつ中の芽胞が腸内で発芽し、毒素で神経がまひします。
解説
正解は⑸です。乳児ボツリヌス症は、はちみつなどに含まれるボツリヌス菌の芽胞を乳児が摂取し、腸内細菌叢が未熟な腸の中で芽胞が発芽して毒素をつくることで起こります。毒素は神経から筋肉への伝達を妨げ、便秘、哺乳力の低下、泣き声が弱くなる、首のすわりが悪くなるなどの症状が現れます。そのため1歳未満の乳児には、はちみつを与えないよう指導します。
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