朝食をとらずに午前中に長時間の運動をした大学生が、昼前に強い空腹感とだるさを訴え…
朝食をとらずに午前中に長時間の運動をした大学生が、昼前に強い空腹感とだるさを訴えた。空腹時と運動時のエネルギー代謝に関する記述として、正しいのはどれか。
- ⑴ 筋肉のグリコーゲンは、グルコース6-ホスファターゼを欠くため、分解されても血糖として放出されない。筋肉はグルコース6-リン酸を遊離のグルコースに戻せないため、筋グリコーゲンは筋肉自身のエネルギーに使われます。
- ⑵ 空腹が続くと、偶数個の炭素からなる脂肪酸が糖新生の材料となり、肝臓でグルコースに変わる。偶数鎖の脂肪酸からはアセチルCoAしか生じず、糖新生の材料にはなりません。材料になるのはグリセロールなどです。
- ⑶ 糖新生は主に骨格筋で行われ、肝臓や腎臓ではほとんど行われない。糖新生を行うのは主に肝臓で、絶食が長引くと腎臓の寄与も大きくなります。
- ⑷ 赤血球はミトコンドリアをもち、脂肪酸を酸化してエネルギーを得ることができる。赤血球はミトコンドリアをもたず、解糖系でグルコースを分解してエネルギーを得ます。
- ⑸ 脳は絶食が長引くと、筋肉から運ばれるアミノ酸を主なエネルギー源に切り替える。絶食が長引くと、脳は肝臓でつくられるケトン体をグルコースの代わりに利用するようになります。
解説
正解は⑴です。筋肉にはグルコース6-ホスファターゼがないため、筋グリコーゲンは分解されても血中へは出ず、筋肉自身のエネルギーに使われます。空腹時の血糖は肝グリコーゲンの分解と、肝臓や腎臓での糖新生で保たれます。糖新生の材料は乳酸、アミノ酸、グリセロールで、偶数鎖の脂肪酸は材料になりません。絶食が長引くと脳はケトン体を利用し、ミトコンドリアをもたない赤血球はグルコースだけに頼ります。
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