膵臓の手術後に脂肪の消化吸収が低下した65歳の男性に、中鎖脂肪酸を含む油を用いた…
膵臓の手術後に脂肪の消化吸収が低下した65歳の男性に、中鎖脂肪酸を含む油を用いた食事が勧められた。脂質の消化と吸収に関する記述として、正しいのはどれか。
- ⑴ 中鎖脂肪酸は、キロミクロンに組み込まれることなく、門脈を経て肝臓へ運ばれる。中鎖脂肪酸は水に比較的溶けやすく、ミセル化や再合成を必要とせずに門脈から吸収されます。
- ⑵ 胆汁酸は脂肪を加水分解する酵素として働き、トリグリセリドを脂肪酸とグリセロールに分ける。胆汁酸は酵素ではなく、脂肪を乳化してミセルをつくり、リパーゼの作用と吸収を助けます。
- ⑶ 長鎖脂肪酸から再合成されたトリグリセリドは、小腸上皮細胞から直接門脈血へ入る。長鎖脂肪酸由来のトリグリセリドはキロミクロンとしてリンパ管へ入り、胸管を経て血中へ運ばれます。
- ⑷ 膵リパーゼはトリグリセリドの2位のエステル結合を優先して切り、グリセロールまで完全に分解する。膵リパーゼは主に1位と3位を切るため、2-モノアシルグリセロールと脂肪酸が生じます。
- ⑸ 腸管へ分泌された胆汁酸の大部分は、大腸で吸収されて肝臓へ戻る。胆汁酸の大部分は回腸で再吸収され、門脈を経て肝臓へ戻る腸肝循環をします。
解説
正解は⑴です。中鎖脂肪酸は比較的水に溶けやすく、胆汁酸によるミセル化やキロミクロンへの組み込みを必要とせず、門脈を経て肝臓へ運ばれるため、膵液や胆汁の分泌が低下した人でも利用しやすい脂質です。長鎖脂肪酸は小腸上皮でトリグリセリドに再合成され、キロミクロンとしてリンパ管へ入ります。膵リパーゼは主に1位と3位を切り、胆汁酸は乳化を担って大部分が回腸で再吸収されます。
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