再生医療の講演会で、患者自身の皮膚の細胞から作製した細胞を用いる治療が紹介された…
再生医療の講演会で、患者自身の皮膚の細胞から作製した細胞を用いる治療が紹介された。幹細胞と細胞分裂に関する記述として、正しいのはどれか。
- ⑴ 人工多能性幹細胞は、体細胞に少数の転写因子の遺伝子を入れてつくられ、胚を壊さずに得られる。人工多能性幹細胞は体細胞を初期化してつくるため、胚を用いるという倫理上の問題を避けられます。
- ⑵ 体細胞分裂の過程では、相同染色体どうしが対合して交叉が起こり、遺伝的に多様な娘細胞ができる。相同染色体の対合と交叉が起こるのは生殖細胞をつくる減数分裂の第一分裂です。
- ⑶ 胚性幹細胞は、成人の骨髄から採取した細胞を長期間培養してつくられる。胚性幹細胞は、受精卵が発生した胚盤胞の内部細胞塊から樹立されます。
- ⑷ 人工多能性幹細胞は、患者の生殖細胞を減数分裂させて染色体数を半分にしてつくられる。人工多能性幹細胞は皮膚や血液などの体細胞からつくられ、染色体数は体細胞と同じです。
- ⑸ 造血幹細胞は、胎盤を含む体のあらゆる細胞へ分化できる全能性をもつ。造血幹細胞が分化できるのは血液系の細胞に限られ、全能性をもつのは受精卵などです。
解説
正解は⑴です。人工多能性幹細胞は、皮膚や血液などの体細胞に少数の転写因子の遺伝子を導入して初期化した細胞で、受精卵や胚を壊さずに多能性をもつ細胞が得られます。胚性幹細胞は胚盤胞の内部細胞塊から樹立されます。造血幹細胞は血液系の細胞へ分化する多能性をもちますが、全能性はもちません。相同染色体の対合と交叉は減数分裂で起こり、体細胞分裂では遺伝的に同じ娘細胞ができます。
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