副腎皮質ステロイドの抗炎症作用は投与から数時間たって現れるのに対し、アドレナリン…
副腎皮質ステロイドの抗炎症作用は投与から数時間たって現れるのに対し、アドレナリンの気管支拡張作用は数分以内に現れる。この違いを受容体のしくみから説明したものとして、正しいのはどれか。
- ⑴ ステロイドは血漿たんぱく質との結合が強く、受容体に届くまでに時間がかかることが遅れの主な原因である。遅れの主因は受容体を介した転写の過程で、血漿たんぱく質との結合ではありません。
- ⑵ アドレナリンは細胞内に入って核内受容体に結合し、転写を介さずに酵素を直接活性化するため速く効く。アドレナリンは細胞膜のGたんぱく質共役型受容体に作用し、細胞内には入りません。
- ⑶ ステロイドの受容体は細胞膜の受容体型チロシンキナーゼで、自己リン酸化に時間がかかるため作用が遅れる。ステロイドの受容体は細胞内にある核内受容体で、受容体型チロシンキナーゼではありません。
- ⑷ ステロイドは細胞内の受容体と結合して遺伝子の転写を変えるため、新しいたんぱく質ができるまで時間がかかる。核内受容体を介する作用は転写と翻訳を経るため、効果が現れるまでに時間を要します。
- ⑸ ステロイドは細胞膜のイオンチャネル内蔵型受容体に結合し、チャネルが開くまでに長い時間を要するため遅れる。イオンチャネル内蔵型受容体の反応はミリ秒単位で速く、ステロイドの受容体はこの型ではありません。
解説
正解は⑷です。副腎皮質ステロイドは脂溶性で細胞膜を通過し、細胞質の受容体と結合したあと核へ移行して、標的遺伝子の転写を調節します。炎症を抑えるたんぱく質の合成や、炎症に関わる物質の遺伝子の発現の抑制は、転写と翻訳を経て起こるため、効果が現れるまでに数時間かかります。一方、アドレナリンは細胞膜のGたんぱく質共役型受容体に作用し、セカンドメッセンジャーを介して速やかに作用を現します。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。