抗体医薬品の溶液に生じた凝集体を、多孔性の充塡剤を詰めたカラムを用いたサイズ排除…
抗体医薬品の溶液に生じた凝集体を、多孔性の充塡剤を詰めたカラムを用いたサイズ排除クロマトグラフィーで確認した。この方法で成分が溶出する順序とその理由として、正しいのはどれか。
- ⑴ 凝集体は表面の電荷が大きく、充塡剤の陽イオン交換基に強く保持されるため、単量体より遅れて溶出する。電荷の違いで分けるのはイオン交換クロマトグラフィーで、サイズ排除では分子の大きさで分かれます。
- ⑵ 分子量が大きいほど移動相への分配係数が小さく、カラムの中に長く留まるため、単量体より後に溶出する。サイズ排除では大きな分子ほど細孔に入れず早く出てくるため、凝集体は単量体より先に溶出します。
- ⑶ 凝集体は脂溶性が高く、オクタデシル基との疎水性相互作用で長く保持されるため、最後に溶出する。疎水性相互作用で保持させるのは逆相系の分離で、サイズ排除の原理とは異なります。
- ⑷ 分子の大きな凝集体ほど充塡剤の細孔に入り込めず、移動する経路が短いため、単量体より先に溶出する。サイズ排除では大きな分子ほど細孔から排除されて速く通り抜けるため、凝集体が先に溶出します。
- ⑸ 分子の小さな単量体ほど充塡剤の表面に吸着されにくく、移動相とともに進むため、凝集体より先に溶出する。小さな分子は細孔の奥まで入り込んで経路が長くなるため、大きな分子より遅れて溶出します。
解説
正解は⑷です。サイズ排除クロマトグラフィーでは、充塡剤の細孔に入れる分子は細孔の中を通るぶん移動の経路が長くなり、入れない大きな分子は粒子の間を通って速く溶出します。そのため分子の大きな凝集体が先に、単量体が後に出てきます。電荷で分けるイオン交換や、疎水性で分ける逆相系とは原理が異なり、たんぱく質製剤の凝集体の確認によく用いられます。
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