化学物質による発がんと、その標的となる臓器について、正しいのはどれか。2つ選べ。
化学物質による発がんと、その標的となる臓器について、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 塩化ビニルの単量体は、主に肺の扁平上皮がんを起こす。塩化ビニルで特徴的なのは肝臓の血管肉腫です。
- ⑵ ニトロソアミンはDNAに直接結合する性質をもち、体内での代謝による活性化を必要とせずに発がんを起こす。ジメチルニトロソアミンなどは、シトクロムP450による代謝的な活性化を受けて発がん性を示します。
- ⑶ ベンゾピレンは、代謝で生じるジオールエポキシドがDNAのグアニンと結合して発がんを起こす。多環芳香族炭化水素は代謝的に活性化され、DNA付加体をつくって変異を起こします。
- ⑷ 芳香族アミンの2-ナフチルアミンは、代謝的に活性化されて膀胱がんの原因となる。染料工業の作業者の膀胱がんの原因物質として知られています。
- ⑸ アスベストは肝臓で代謝されて反応性の高い代謝物となり、尿中に排泄される過程で膀胱がんを起こす。アスベストは繊維として肺や胸膜にとどまり、肺がんや中皮腫の原因になります。
解説
正解は⑶と⑷です。多くの発がん物質はそれ自体では反応性が低く、シトクロムP450などで代謝されて反応性の高い物質となり、DNAと結合して変異を起こします。ベンゾピレンはジオールエポキシドとなってグアニンと結合し、2-ナフチルアミンは代謝的に活性化されて膀胱がんを起こします。ニトロソアミンも代謝的な活性化を必要とします。塩化ビニルは肝血管肉腫を、アスベストは肺がんや中皮腫を起こすことが知られています。
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