眼底検査の前に、トロピカミドとフェニレフリンを含む点眼薬で散瞳させた。2つの成分…
眼底検査の前に、トロピカミドとフェニレフリンを含む点眼薬で散瞳させた。2つの成分が散瞳を起こすしくみの説明として、正しいのはどれか。
- ⑴ トロピカミドはコリンエステラーゼを阻害し、フェニレフリンはα2受容体を刺激する。コリンエステラーゼの阻害は縮瞳を起こし、フェニレフリンは主にα1受容体に作用します。
- ⑵ フェニレフリンは角膜の知覚神経を麻痺させ、トロピカミドは虹彩の血管を収縮させる。知覚神経の麻痺は局所麻酔薬の作用で、どちらの成分の散瞳の機序でもありません。
- ⑶ トロピカミドは毛様体筋のβ2受容体を刺激し、フェニレフリンは房水の産生を増やす。トロピカミドはムスカリン受容体を遮断する薬で、β2受容体には作用しません。
- ⑷ フェニレフリンは瞳孔括約筋のムスカリン受容体を刺激し、トロピカミドはヒスタミン受容体を遮断する。ムスカリン受容体を刺激すると縮瞳し、トロピカミドの作用点もヒスタミン受容体ではありません。
- ⑸ トロピカミドは瞳孔括約筋の収縮を抑え、フェニレフリンは瞳孔散大筋を収縮させる。トロピカミドは抗コリン作用で括約筋を弛緩させ、フェニレフリンはα1刺激で散大筋を収縮させます。
解説
正解は⑸です。瞳孔の大きさは、副交感神経の支配を受けてムスカリン受容体を介して収縮する瞳孔括約筋と、交感神経の支配を受けてα1受容体を介して収縮する瞳孔散大筋のつり合いで決まります。トロピカミドはムスカリン受容体を遮断して括約筋を弛緩させ、フェニレフリンはα1受容体を刺激して散大筋を収縮させます。作用点の異なる2成分を組み合わせることで、短時間で十分な散瞳が得られます。
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