飲食店で何度も使い回した揚げ油で調理した料理を食べた客から、胃のもたれと吐き気の…
飲食店で何度も使い回した揚げ油で調理した料理を食べた客から、胃のもたれと吐き気の訴えがあった。保健所の依頼で、薬剤師が油脂の変質について説明することになった。油脂の変質に関する記述として、最も適切なのはどれか。
- ⑴ 光や鉄・銅などの金属イオンがあると、油脂の自動酸化はかえって遅く進むようになる。光や金属イオンはラジカルの生成を促すため、自動酸化を速めます。
- ⑵ ビタミンEを油脂に加えると、ラジカルの生成が増え、自動酸化が速く進むようになる。ビタミンEはラジカルを捕まえる抗酸化剤で、自動酸化を抑えます。
- ⑶ 二重結合の多い不飽和脂肪酸を含む油脂ほど、自動酸化を受けて過酸化脂質を生じやすい。二重結合に挟まれた炭素の水素が引き抜かれやすく、ラジカルの連鎖反応で過酸化脂質が生じます。
- ⑷ 酸化が進んだ油脂では、過酸化物価と酸価がともに下がり、変質の程度を判断できなくなる。変質が進むと、過酸化物の生成や脂肪酸の遊離により、過酸化物価や酸価は上がります。
- ⑸ 飽和脂肪酸の多い油脂は、加熱を繰り返しても変質の指標の値がほとんど変化しない。飽和脂肪酸の多い油脂も、高温での加熱を繰り返すと分解や重合が進み、変質の指標の値が変わります。
解説
最も適切なのは、不飽和脂肪酸を多く含む油脂ほど自動酸化を受けて過酸化脂質を生じやすいという記述です。油脂の自動酸化はラジカルの連鎖反応で進み、光・熱・金属イオンで促進され、ビタミンEなどの抗酸化剤で抑えられます。変質の程度は、過酸化物価、酸価、カルボニル価などで評価します。繰り返し加熱した油では、生じた過酸化物やアルデヒドが胃腸の不調などの原因になります。
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