医薬品の化学構造を変えて、溶解性や吸収性などの性質を改善することがある。構造の修…
医薬品の化学構造を変えて、溶解性や吸収性などの性質を改善することがある。構造の修飾とその結果に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 弱塩基性の薬物を塩酸塩にすると、固体の水への溶けやすさが高まる。塩酸塩はイオン性の結晶で水に溶けやすく、溶出が速くなります。
- ⑵ エナラプリルは活性体のカルボキシ基の1つをエチルエステルにし、経口吸収を改善している。活性体のエナラプリラトは吸収が悪いため、エステル化したプロドラッグとして投与し、体内で加水分解させます。
- ⑶ 分子内にヒドロキシ基を増やすと脂溶性が高まり、脳へ移行しやすくなる。ヒドロキシ基は極性が高く、増やすと水溶性が上がり、血液脳関門を通りにくくなります。
- ⑷ バラシクロビルは、アシクロビルにアラニンをエステル結合させたプロドラッグである。バラシクロビルはアシクロビルのバリンエステルで、ペプチド輸送体を介して吸収されます。
- ⑸ カルボキシ基をエステルに変えると、分子の脂溶性が下がり膜を通りにくくなる。エステル化でイオン化する基がなくなるため脂溶性は上がり、膜を通りやすくなります。
解説
正しいのは、弱塩基性の薬物を塩酸塩にすると水に溶けやすくなるという記述と、エナラプリルのエステル化についての記述です。カルボキシ基のエステル化はイオン化を防いで脂溶性を高め、消化管からの吸収を改善するプロドラッグの代表的な手法です。バラシクロビルはアシクロビルにバリンを結合させ、ペプチド輸送体で吸収させる工夫をしています。ヒドロキシ基を増やすと極性が上がり、脳へは移行しにくくなります。
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