不斉炭素をもつ医薬品では、鏡像異性体の一方だけが目的の作用を示すことがある。立体…
不斉炭素をもつ医薬品では、鏡像異性体の一方だけが目的の作用を示すことがある。立体異性体の性質と、生体分子との相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ ラセミ体は、右旋性の成分が多いため、偏光面を右へ回転させる性質をもつ。ラセミ体は両方の鏡像異性体を等量含むため、旋光性は打ち消し合って示しません。
- ⑵ ジアステレオマーどうしは、鏡像異性体と同じく、融点や溶解度が互いに等しい。ジアステレオマーは鏡像の関係にないため、融点や溶解度などの物理的性質が異なります。
- ⑶ 鏡像異性体どうしは、融点や水への溶解度などの物理的性質が互いに異なる。鏡像異性体どうしは、偏光面を回す向き以外の物理的性質は等しくなります。
- ⑷ 鏡像異性体どうしは、受容体のような不斉な環境では、異なる強さで結合することがある。受容体の結合部位は立体的に不斉なので、三次元の配置が違う鏡像異性体は結合の強さや作用が異なり得ます。
- ⑸ サリドマイドは体内でラセミ化するため、一方の鏡像異性体を投与しても副作用は避けにくい。体内で両方の鏡像異性体が互いに変わり合うため、一方だけを投与しても催奇形性を防げません。
解説
正しいのは、鏡像異性体が不斉な環境で異なる強さで結合することと、サリドマイドが体内でラセミ化することについての記述です。鏡像異性体どうしは旋光の向き以外の物理的性質が等しい一方、受容体や酵素のような不斉な環境では区別され、作用や代謝が異なることがあります。ラセミ体は旋光性を示さず、ジアステレオマーは物理的性質が異なります。体内で異性化する薬物では、光学分割の意味が小さくなります。
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