発熱と頑固な乾いた咳が続く20歳の学生が、マイコプラズマ肺炎と診断された。前医で…
発熱と頑固な乾いた咳が続く20歳の学生が、マイコプラズマ肺炎と診断された。前医で処方されたアモキシシリンは効果がなく、アジスロマイシンに変更された。アモキシシリンが効かなかった理由として、最も適切なのはどれか。
- ⑴ 厚いペプチドグリカン層に阻まれ、薬がマイコプラズマの内部まで届かないため。マイコプラズマは細胞壁をもたず、ペプチドグリカン層もありません。
- ⑵ 菌が産生するβ-ラクタマーゼにより、アモキシシリンが分解されるため。効かない理由は分解ではなく、作用点となる細胞壁が存在しないことです。
- ⑶ 細胞壁をもたない菌であり、細胞壁合成の阻害が作用点にならないため。β-ラクタム系は細胞壁の合成を阻害する薬なので、細胞壁をもたない菌には効きません。
- ⑷ リボソームの形の違いによって、アモキシシリンの結合が妨げられるため。アモキシシリンの作用点はリボソームではなく、細胞壁を合成する酵素です。
- ⑸ DNAジャイレースの構造が変異しており、薬の結合が妨げられるため。DNAジャイレースはキノロン系の作用点で、アモキシシリンとは関係しません。
解説
最も適切なのは、マイコプラズマが細胞壁をもたないため、細胞壁合成の阻害が作用点にならないという理由です。アモキシシリンなどのβ-ラクタム系抗菌薬は、ペニシリン結合たんぱく質を阻害してペプチドグリカンの架橋を妨げます。細胞壁のないマイコプラズマにはこの作用点がありません。そのため、細菌のリボソームに作用してたんぱく質合成を阻害するマクロライド系などが選ばれます。
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